株主の皆様へ
株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚くお礼申しあげます。
さて、当社第186期(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の事業の概況ならびに決算内容を次のとおりご報告いたします。
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の持ち直しや企業収益の改善がみられ、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、継続的な物価上昇や外国為替相場における大幅な円安の進行、中国経済の先行き懸念などによる景気後退リスクに注視する必要があり、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループに関連する業界では、工作機械業界は内需、外需ともに受注総額の前年同月比割れが続くなど調整局面が続いております。また、防衛装備品に関しては、世界的な安全保障状況の変化に対応して政府より防衛産業基盤強化策が打ち出されました。
このような状況の下、当社グループでは、営業活動の強化と生産性の向上などによる採算性改善に取り組みました。また、防衛産業基盤強化と今後の防衛省からの20式5.56mm小銃の増産要求に応えることを目的として、製造ラインの増設を進めております。
業績につきましては、前期に比べ売上高は、特装車両が減少したものの、工作機械関連、火器、建材は増加したため、前期と同水準の197億8千万円となり、受注残については、9%減の81億4千万円となりました。
損益につきましては、火器は、防衛省向け装備品の売上増加により増益となり、建材は防音サッシ、一般サッシの売上が増加したことにより赤字幅が縮小しました。一方、工作機械関連では、工作機械の売上が増加したことにより採算性が改善しましたが、空油圧機器、電子機械の販売が低調に推移したことにより、工作機械関連全体では赤字幅が拡大しました。さらに特装車両はトラックシャシの入手遅延による路面清掃車の販売台数減少および操業度低下による原価高で赤字となりました。この結果、営業利益は3億8千万円となりました。
また、営業外収益に受取配当金などを計上した結果、経常利益は4億6千万円となり、特別損失に減損損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は8億7千万円となりました。
対処すべき課題につきましては、中期経営計画最終年度の目標として、連結売上高248億円、連結営業利益20億円を達成すべく取り組んでまいりましたが、工作機械関連事業におきまして、主要な顧客である自動車関連業界や中国からの受注回復は不透明な状況が続くことが予測され、中期経営計画最終年度となる2025年3月期は、連結売上高241億円、営業利益7億円と厳しい業績を予想しております。
このような状況のもと、当社グループといたしましては、事業環境の大きな変革期であると認識のもと、強弱をつけた経営資源の投入による経営効率の最適化により、事業環境の変化に適応した事業基盤を構築してまいります。
さらには、高品質で多様な製品・サービスの提供を通じて、持続可能な社会の実現と当社自身の持続的な成長を両立させ、ものづくりの未来の発展に貢献していくため、透明性の高い企業統治のもと、環境課題の解決や社会との調和にも意欲的に取り組んでまいります。
株主の皆様には、今後とも一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申しあげます。